終活・葬儀・法事

はじめに-終活・法事・葬儀・年忌-

日本の習俗は「死」は忌むべきタブーとしてそれに関わることを日常的に避けています。それに対して仏教は「死のない生」ではなく、「死のある生」を見つめることから始まります。そのため「死」を大切なこととして受けとめており、「終活」という言葉が出てくるはるか以前より終活を行ってきました。

それと同時に、いのちには死んでも死なないもの、消えても消えないものがあることも示します。仏教に伝統されている葬式や年忌といった法事は、人の死を実直に見つめ、同時にその人の姿なきすがた、声なきこえに再び出会う勤めごとです。

ここでは真宗大谷派に於けるお葬式からその後の年忌や法事までの基本的は流れを示します。あくまで現代の一地域において一般的に行われている作法を簡略に示すにとどまっています。参考までにご覧いただき、ご不明な点はご相談ください。

A,終活

1、お寺と御縁をもつ

仏教には、教えと作法(儀式)の二つが伝わっている。それを勉強したのがお寺の僧侶なので、御縁をもてば様々な相談や葬儀・法事の依頼がスムーズに行える。

お寺を選ぶポイントは、長くつきあえるかどうか。維持費用に関してなどはホームページで公開しているお寺も増えている。

2、お内仏(おないぶつ)をもつ

自分の家の内に、手を合わす仏さまをもつ(=お内仏)。亡くなればこのお内仏の前でお勤めが始まる。逆に仏さまがおられないとお葬式は始まらない。

何より大事なのは、お内仏はただの飾り物ではなく、お仏飯(ぶっぱん)やお花の上げ下げなどのお給仕をし、その前に座って「私のお内仏」になるよう親しくお参りをする。

3、法名(ほうみょう)をもつ

「法名」とは仏法での自分の名前。ふだん使っている俗名(世俗での名前)に対する。自分の名前なので、必ず生前にもらい確かめておくことが大事。「死後の名前」という理解は、死を忌避する風習からの誤解で、法名は俗名と違い、死をも超える名前なので死後も使える。

法名をもらうのは帰敬式(ききょうしき)を受ければもらえる。上宮寺では11月の報恩講時に開かれる。その他、京都の東本願寺など様々な場所でも開かれている。

4、後を頼む人をもつ

自分の死後に後を頼める人をもつ。迷惑をかけたくないという風潮がある現代だが、死んだ後に病院の支払いや寝間着の洗濯をする人は必ずいる。むしろ前向きになって迷惑をかけられる人間関係をつくるほうが健康的。

後を頼む人には、お寺の縁や法名があることなどを日ごろから伝えておく。もしお墓や納骨などを守る人がいない場合でも、お寺との御縁を伝えておけば相談してもらえる。

 

B,葬儀から満中陰まで

1、命終

お寺に連絡。ご自宅の仏間にご遺体を安置し、枕勤め(まくらづとめ)を行えるようお内仏をお飾りする。

2、枕経(まくらぎょう)

お内仏にて枕経を勤める。法名(ほうみょう)の有無と院号(いんごう)で飾るかの希望をお寺に伝える。通夜・葬儀の日時と会場を決定する。

3、通夜

通夜を勤める。近親者は夜とぎをするのが望ましい。

4、葬儀

葬儀を勤める。葬儀後は火葬場へ出棺。

5、還骨(かんこつ)・初七日(しょなのか)

お骨になって還られたら還骨と兼ねて初七日を勤める。

6、初七日以降

自宅の仏間に中陰壇(ちゅういんだん)を設けて法名とお骨を安置。お内仏(仏壇)がまだない場合はお寺からご本尊を借り受ける。

お寺に参詣し葬儀の御礼をする。また二七日(ふたなぬか)からのお勤めと満中陰(まんちゅういん)(三十五日さんじゅうごにち)の日時の相談をする。

※上宮寺では満中陰を三十五日(五七日)で勤めるのが慣習となっています。一般には四十九日(七七日)が満中陰となります。

7、二七日(ふたなぬか)から四七日(よなぬか)

七日(なぬか)ごとに二七日(ふたなぬか)・三七日(みなぬか)・四七日まで勤める。七日は亡くなられた日から数えるので、月曜日に亡くなられた場合は日曜日が当たりになる。

8、満中陰(三十五日)

満中陰を勤める。忌明け法要でもあるので普段のお飾りにもどして勤める。

 

C,満中陰から三回忌まで

1、納骨

お墓への納骨は満中陰後から行う。必ずしも満中陰で行う必要はないが、目安としては三回忌までに納める。日を設けて納骨をする場合はお寺に依頼する。

2、百ヶ日(ひゃっかにち)

百日目に百ヶ日の勤める。七日勤めに準ずる勤め内容である。

3、初盆(はつぼん)

満中陰以降初めて迎えるお盆が初盆となる。初盆のお勤めを希望する場合はお寺に頼む。

4、祠堂経(しどうきょう)(永代経  えいたいきょう)

自宅の法事以上にお寺でも永代にわたって勤めてもらいたい場合は祠堂経を依頼する。毎年の春秋のお彼岸時にお寺で祠堂法要が勤まる。

5、一周忌(いっしゅうき)

一年が周ったら一周忌を勤める。ここからは年数で行われていくので年忌ともよぶ。

6、三回忌(さんかいき)

二年目に勤めるのが三回忌である。三年目が回ってくるというほどの意味である。

 

C,三回忌以降からと弔い上げ(といあげ)まで

1、年忌(ねんき)

三回忌以降は七と三の年に年忌を勤めていく。これは七という数字をインドの仏教徒が句切りと考えた事に由来する。具体的には七回忌、十三回忌(七回忌から数えて七年目)、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、三十七回忌、四十三回忌、四十七回忌、五十回忌と進んでいく。

2、祥月法要(しょうつきほうよう)

年忌は年数をあけて勤めるため、年忌にあたらない年にお勤めをしたい場合は祥月法要をお寺に依頼する。その人の亡くなった命日、もしくはその前後で行われる。年忌ほど重たいお勤めではなく、近親者で行われることが多い。

3、分骨(ぶんこつ)

分骨は伝統的には京都の真宗本廟(しんしゅうほんびょう)(東本願寺)または大谷祖廟(おおたにそびょう)に収骨する。上宮寺の納骨壇を持っていればそちらに納めることもできる。納める時期は特になく、納めようと思った時に行えばいい。それまではお内仏に置いておく。

4、弔い上げ(といあげ)

年忌の最後は五十回忌で終わる。五十回忌は弔い上げとも呼ばれ、ここでその人に関する全ての法事が終わる。

※上宮寺では五十回忌を弔い上げとするのが慣習となっています。同じ大谷派でも勤め方に地域差があります。