お経(おきょう)

漢訳経典をとりまとめた『大蔵経』

「経(きょう)」はブッダによって説かれたものを指します。単に仏教が説かれているだけではお経にはなりません。基本としてブッダが説いたものがお経とされ、敬われれます。そのため多くのお経は「仏説〇〇経」と題がつけられています。

「経」はもとのインドの言葉では「スートラ」と言われ「糸」を意味します。花を糸でつないで花輪にするように、ブッダの教えが散りぢりにならないよう、まとめたことが始まりです。ですから織物の縦糸を意味する「経」の漢字が使われているのです。

お経はもともとは口伝えでしたが、やがて文字に記され、さらに中国やチベットなどでは翻訳されて膨大な数が残されています。伝統的には「八万四千の法門」と言われていますが、漢字に訳された主なものだけでも1460部あります。

そのためいくらブッダが説かれた尊いものとはいえ、膨大なお経全てを学び尽くすのは人間の寿命では不可能ですので、これこそが私の仏道のしるべとなると、先人たちはお経を選び取ってきました。それが仏教が各宗に分かれた由来でもあります。

浄土真宗では「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」とよばれる、『無量寿経(むりょうじゅきょう)』・『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』・『阿弥陀経(あみだきょう)』の3つを選びました。、これこそが真実を教えてくださるお経だとしたのです。