100点を支える0点

【生きているうちは、ひとは世のなかの役にたってしまう。石田千】

本日(2015年12月25日)の朝日新聞「折々のことば」がおもしろかった。鷲田さんのコメントは次のようである。

【例が面白い。犯罪者だって、警察が動けばガソリン補給や張り込み中のパンが必要となるし、尋問中は出前のカツ丼を食べ、収監されると職業訓練で人々に貢献する。つまりは「金銭物資の流通」が起こる。どんな人も役に立つから存在に意味があるのでなく、ただいるだけで意味がある。が、そもそも役に立たないでいることが難しいと小説家は言う。「役たたず、」から。鷲田清一】

 

仏教で言う「縁起の法」とはこういうことですね。児玉先生という方は、「100点を取って喜ぶためには、0点を取ってくれている者が必要です。ですから100点を取った者だけがえらいのではなく、100点を支える0点もえらいのだ。」と教えてくれました。世界には不必要な者などいない、というのが世界の真実です。