お釈迦さまの生涯
「お釈迦さま」は実在の人物です。今からおよそ2500年ほど前にインドで誕生し、35歳で覚りを開いてブッダと成り、80歳までその教えを仏教として説かれた方です。
仏教の伝統では、「釈尊(しゃくそん)(釈迦族の尊い方)」、「世尊(せそん)(世に尊き先生)」、「教主(きょうしゅ)(教えのあるじ)」などと呼ばれ、現代でもお釈迦さまといえば、仏教の開祖として誰でもが知っています。
そのお釈迦さまの生涯は古今よりいくつもの経典や書物などで語り伝えられています。古いものでは、お釈迦さまご自身が語った思い出や、お弟子方がまとめたものなどが経典などに伝わっています。また現代まで残ったインドの仏像や仏教遺跡には、お像や寺院を飾った彫刻としてお釈迦さまの物語を見ることもできます。
現代でもお釈迦さまに関しては、多くの入門書や専門書が出続けていますが、お勧めとしては、東本願寺から出ている『釈尊 生涯と教え』がいいかと思います。もともとは高校生向けに作られた教科書で、写真や挿絵も多く、読みやすく見やすいお手頃な本です。
親しみやすいものとしては、マンガ家であった手塚治虫が描いた『ブッダ』がおもしろいです。手塚流の創作が多く入っていますが、お釈迦さまの誕生から死まで伝記に取材して描かれています。
そのようなお釈迦さまの生涯は、仏教の伝統の中では『無量寿経』などで八つの場面で語られます。これをふまえ、①誕生・②王宮(おうぐう)・③出家(しゅっけ)・④修行・⑤降魔(ごうま)・⑥成道(じょうどう)・⑦説法・⑧涅槃(ねはん)・⑨滅後(めつご)の9つの場面でもって見ていきたいと思います。