泉惠機先生の還浄

4月17日に泉惠機(いずみしげき)先生が浄土に還られました。77歳でした。
私が専修学院から大谷大学へ進んだ1回生の年、クラス担当として身近に接していただいたのが先生との出会いでした。それ以前の学院時代にも部落差別問題の特別講義で何度か講義は受けていましたが、先生と親しくさせていただいたのはやはり大谷大学の学部時代でした。
先生から受けた講義をノートで見かえすと、「人に遇う 問題に遇う 教えに遇う」・「部落差別と浄土真宗」・「部落史論」・「人権論 アイヌモシリ」・「反カースト運動論」などの講義題目が付けられていました。先生の講義は人間社会にある差別を、歴史や文献、人物など幅広い知見で確かめた上で、真宗の視座で総括していくというもので、どこまでも先生の信仰である真宗に貫かれたお話でした。

山登りがお好きで、アイヌモシリの講義では現地学習として受講生を誘って北海道へ旅をし、カムイミンタラと呼ばれる旭岳をうれしそうに登られていたのも印象深い思い出です。また風山房と名づけたご自宅にも呼んで下さり、囲炉裏をかこんで「火は人間を集めるんだよ」と言われたこともよくおぼえています。

大谷大学で多くのよき先生と出会いましたが、その最初に私を迎えてくださったのが泉先生でした。